数理科学科2年の大塚です。自分の考えた授業は、タイトルが「ネッシーがいる確率は1/2!?」ということで、確率についての話になってます。このタイトルは昔読んだサブカルチャーの本の一説が元ネタになってまして、ただ単に確率ということで引っ張り出してきただけなので、授業ではあくまでネタ程度に軽く触れるつもりです。一応対象の方は中学3年で、確率の内容を一通り学習した段階でのまとめのような授業を想定してます。
 それでは具体的な授業内容の話に移ろうと思います。まずは導入として、教師が「ネッシーの話を聞いたことがあるか、聞いたことがある人は存在を信じるか」と尋ねます。で、信じるとか信じないとか初耳だとかっていう反応が返ってくると思うので、次に「じゃあネッシーが存在する確率はどのくらいだと思うか」と尋ねます。これも色々な反応が返ってくると思うので、それを聞いた上で同様に確からしいとか、後は数学的確率と実験的確率についてなどの基本的な内容の説明をします。で、次に「数学的確率と実験的確率がどの程度まで近付くか確かめてみよう」ということで、生徒たちに2〜3人ずつのグループになってもらってじゃんけんをさせます。まず2人ないし3人でじゃんけんをする時の勝ち負けあいこになる数学的確率が1/3になることを簡単に説明し、それからワークシートを配布して実際にやってもらい、時間をとって結果をまとめさせるという形になります。ワークシートは見て頂ければ分かると思いますが、1回毎に勝ち負けあいこのうちどれだったかを記入していくということになります。あいこの場合もあいことして1回分カウントするので、もう1回やり直したりしないように伝えることと、後はグループは2〜3分程度を目安に変えていくつもりでいるので、グループ作りをスムーズに行わせることがポイントになってくると思います。ワークシートは120回分まで書く欄がありますが、ここの時間はじゃんけんの数学的確率の解説の時間を含めて20分を想定しているので、もしかしたら早い生徒は時間内に終わってしまうことも考えられるので、その場合は先に結果をまとめさせるか、あまりに早い場合は裏に自分で表を作ってもらって試行回数を増やしてもらおうと考えてます。で、結果のまとめが終わったら大体10人程度にそれを発表してもらいます。如何せん試行回数が少ないので、精度の高い結果が出ることはあまり期待してませんが、結果を疑問に思う生徒もいると思うので、ここで大数の法則ということで精度を上げるには試行回数をもっと増やす必要があるということを話します。大数の法則自体は極限の概念が必要になってくるので詳しく述べるつもりはありませんが、結果に納得のいっていない生徒に対してこういう法則があるという免罪符のような形で、お茶を濁す程度になるとは思いますが一応説明をするということです。そして次に応用的な考え方として2つ以上の独立な事象を組み合わせた確率について説明をしていきます。独立という考え方は中学ではやらないので最初に説明した上で、今やったじゃんけんも自分の手と相手の手が独立だとみなすことでこの考え方ができるという説明をします。そして最後に確率の概念の日常生活への応用についての話をします。具体的には天気予報やギャンブルなどです。天気予報の話の際は、今回お配りしたのはインターネットからのものですが、一例として新聞などの天気図を参考資料として配ってもいいと思います。一応ここまでで50分の予定ですが、時間が余った場合は更に応用として4人以上でじゃんけんを行った場合の勝ち負けあいこになる確率に触れてみようと思います。
 作業内容としてはじゃんけんということで、正直中学生にやらせるにはちょっと子供だましというかお粗末のような気はしてます。先程も言いましたが、じゃんけんの時間は説明の時間を含めて20分を予定しているので正味15分程度になると思いますが、15分もじゃんけんをするとなると中には真面目に取り組まない生徒も出てくるかと思います。でも今回は身近さと単純さに重点を置いたので、少しでも多くの生徒に分かりやすさとか親近感のようなものを感じてもらって、視野を広げて数学全体への興味を持ってもらえればと思います。